明治元年１０月２９日　榎本軍　外国へ向け声明文

きょうは明治元（１８６８）年１０月２９日です。蝦夷の榎本軍は、外国に向け、自らの正当性を主張する声明文を出しました。

榎本武揚ら旧幕臣などからなる榎本軍は諸外国の代表にあてたフランス語の声明文を２０日付で送りました。

声明文によりますと、榎本軍は「蝦夷地を徳川家の新領地とする」と宣言し、「天皇がこれを承認することを希望するが、聞き入れられない場合は武力行使も辞さない」としています。
榎本軍は、国際法を根拠に自らを新政府と対等の「交戦団体」であると主張し、ヨーロッパ各国に承認を求めています。

これを受け、イギリス・フランス・オランダ・イタリア・北ドイツ連邦の５か国代表はきょう横浜に集まり、対応を協議しました。
５か国の中で、イギリスは新政府寄り、フランスは旧幕府寄りです。

さらに日本での通商の主導権をめぐり、各国の思惑は交錯していて、きょうの会議で結論は出ませんでした。