明治元（１８６８）年１０月２２日　旧幕府軍部隊の一部　箱館へ

蝦夷地に上陸した榎本武揚ら旧幕府軍は、部隊の一部を箱館に向かわせています。

榎本武揚率いる旧幕府軍のおよそ３０００人は、きのうまでに箱館から北に４０キロの鷲ノ木に上陸を終えました。
このうち、土方歳三ら新撰組の生き残りなどからなる部隊は、きのう、新政府が拠点を置く箱館に向かって出発しました。

その一方で榎本は、新政府の箱館府知事、清水谷公考に趣意嘆願書を渡すため、人見勝太郎ら３０人を使者として箱館に向かわせています。

嘆願書で榎本は、旧幕臣の働き口の確保と、ロシアの南下に備えるため蝦夷の開拓を許可するよう求めています。

人見らはきょう、箱館からおよそ１５キロの峠下村近くで夜営しているということです。
対する新政府の箱館府では部隊の一部を主な街道に派遣し、情報収集と警戒にあたらせていて、南下している旧幕府軍との間で偶発的な衝突がおきるおそれが懸念されています。