かつお節ならぬ「深海節」日本一のまち枕崎市で深海魚をいかしたふりかけ開発中
ここ最近、新たに活用できる資源として注目を集めている「深海魚」。その深海魚を使った商品開発のプロジェクトが鹿児島県枕崎市で始まりました。
目がぎょろっと大きい魚や真っ赤でトゲのある魚・・・。スミクイウオやシロカサゴ、ネズミヒゲという名の見慣れないこの魚たちは、どれも「深海魚」です。タカエビ漁の時に網に一緒にかかるもので、流通することはあまりなく、ほとんどが捨てられています。
見た目は少しグロテスクでも味は良いものが多い深海魚をいかす方法はないか?かつお節の生産日本一の枕崎市で進められているのが、かつお節ならぬ深海魚を使ったその名も「深海節」です。
(金七商店 瀨﨑祐介さん)
「未利用魚と言われるが魚に非はない」「漁師も自分も町も一緒に盛り上げられたら、そこに期待」
つくり方はかつお節と同じ工程。さばいたものを大きな釜で煮て乾燥させた後、まきでいぶしていきます。
ただ、深海魚は、大きさにばらつきがあるため、1週間から2週間と、その都度、調整が必要です。
(金七商店 瀨﨑祐介さん)「入れる時の温度も鮮度によって違う、深海魚はまだ何が正解か分からない、試行錯誤中」
出来上がった深海節のおいしさを生かす商品として目をつけたのがふりかけです。
深海魚の魅力を発信している鹿児島水圏生物博物館の岩坪洸樹館長と、枕崎市でドライフルーツ関連の商品をつくっているf(フォルテ)ラボの味園美和子さんも一緒に現在、開発中です。
(金七商店 瀨﨑祐介さん)「ふりかけとして分かりやすいけどごまが強い?」
(鹿児島水圏生物博物館 岩坪洸樹館長)「深海節の味もするし混ぜてる素材のよさも伝わる」
9日は、枕崎産のさつまいもとお茶、たんかん、トマトとひじきの3種類を深海節と混ぜ合わせたふりかけを試作しました。
(記者)「噛んでいるとさつまいもの甘みとお茶の苦味や香りその中に深海節の魚の旨みと香りとがぎゅっと凝縮していておいしい」
深海節ふりかけは、今月24日、語呂合わせで「いいふしの日」までに完成させ、枕崎お魚センターのレストランで提供された後、商品化を目指します。
(鹿児島水圏生物博物館 岩坪洸樹館長)「またこのふりかけを通して深海魚の面白さ・おいしさを伝えていけたら」
可能性を秘めた深海魚をつかった「深海節ふりかけ」。かつお節のまちを盛り上げようと、新たな挑戦が始まっています。