「人馬一体」で頂点へ! 動物と行う唯一の競技「馬術」 国体100日前ウィーク(2023年6月27日放送)

鹿児島県は、去年のとちぎ国体では7種目で入賞、競技別の天皇杯は10位でした。馬術で、国体での活躍をめざす高校生を取材しました。


鹿児島工業高校2年の上村汀選手。取り組んでいるのが、動物とともに行う唯一の国体競技「馬術」です。

鹿児島市の上村乗馬苑。選手たちが“100日後”の国体活躍を目指し練習に励んでいます。上村選手は上村乗馬苑の次男として生まれ、常に馬と一緒に生活してきました。

(上村汀選手)「最初は怖くて、そんなに好きではなかった」

競技を本格的に始めるきっかけになったのが家族の活躍です。
(上村汀選手)「家族の活躍だったり、お兄ちゃんの活躍だったり」

指導する父・利幸さんも馬術の選手。これまで国体に20回以上出場し、4度優勝。母まゆみさん、兄の司さんも国体の頂点を経験した、まさに馬術一家です。
汀選手も去年、初めて国体に出場。しかし…。

(上村汀選手)「いつも通りやっていることが何もできなくて。緊張とかプレッシャーに負けていつも通り出来なかった。去年の国体はとても悔しくて心に残っている」

独特の雰囲気にのまれ、思うような結果を残せませんでした。

悔しさをに胸に練習に励んだ汀選手。今月、国体と同じ会場で行われたリハーサル大会では、好成績を収め国体へ弾みをつけました。今回は家族4人全員で出場予定です。

(上村汀選手)「家族全員で出るのは今まで一回もないので、楽しみな所。国体では全種目優勝できるように頑張りたい」

かごしま国体では、いかに「正確に」「美しく」動けるか、3種類の歩き方で競う「馬場馬術」と、汀選手が出場する高さや幅の異なる障害物を飛び越える「障害飛越」。その両方で競う「総合馬術」の3競技、合わせて23種目が行われます。
中学3年から高校3年までの「少年」の部は、男女が同じ土俵で戦います。

上村選手に憧れ、ともに「障害飛越」に取り組むのが、志學館高等部1年の高倉吾依選手です。

(高倉吾依選手)「小学校5年生からずっと見てきて、本当にうまい先輩で尊敬しているし、いつかなりたいなという憧れ」

尊敬する先輩とチーム鹿児島で戦える国体の舞台。初出場へ練習の日々が続きます。

(高倉吾依選手)「足の使い方とか全然まだまだで、まっすぐの感覚がつかめなくて苦労している」

技術とともに大切なのが、馬と心を通わすこと。

(高倉吾依選手)「コアタックて言います。すごくやさしくていい子で本当にいい子です」「信頼関係がないと馬も動いてくれないが、信頼関係を少しずつ築いてノーミスで帰ってこられたときは本当にうれしいし、ありがとうという気持ち」

馬への感謝の気持ちを込め、厩舎の掃除には練習以上に時間をかけます。そして練習後も、感謝を込めてのケアを怠りません。馬と心を通わせ国体での飛躍を目指します。

(上村汀選手)「人馬一体となって、お互いを通わせながら試合に臨んでいくところが良いところだと思います」

(高倉吾依選手)「頑張ってくれるので、人間も遅れを取らないように人馬一体となって頑張っていきたい」