解説 鹿児島・2日連続コロナ最多更新 増加率九州1位なぜ?
新型コロナの感染者は、鹿児島では29日、30日と2日連続で過去最多を更新。「第6波」は落ち着きつつあったものの、鹿児島でもここにきて全国を上回り、九州で最悪のペースで感染が再拡大していて、県は対策の徹底を呼びかけています。
県内で今年発表された1日当たりの感染者数の推移です。1月に感染者が急増し、2月1日に初めて700人台となりました。感染急拡大を受け、県内では1月25日から今月6日までの1か月間あまり「まん延防止等重点措置」が適用され、一時は200人台に減っていましたが、先週から前の週の同じ曜日を上回る状況が続いていて、29日、30日と2日連続で過去最多を更新しました。
まん延防止等重点措置が全国で全て解除されてから29日までの1週間と、その前の1週間の感染者を比べると、全国、そして九州各県でわずかながらも増加に転じています。鹿児島の増加率は1.71倍と全国の1.01倍を上回り、九州でも最も高くなっています。なぜ、鹿児島が特に高いのでしょうか?
はっきりした理由は分かっていませんが、県が要因とみているのが、3月19日からの3連休で県内外との往来や人の集まりが多かったこと、そして、感染力が強いとみられるオミクロンの亜種「BA.2」が県内でも増えていることです。
感染者の年代別の割合を見ると、20代以下が半分以上を占めていて、まん延防止の解除後は卒業シーズンなどで動きが増えるとみられた10代、20代の割合が解除前より増えています。
一方、28日時点の警戒基準の指標をみると、病床使用率は28.8%で直ちにひっ迫する状況ではないということです。また、人口10万人あたりの新規感染者数は197.51人で、29日に更新されるまで最多だった744人が確認された2月1日時点より下回っています。ただ、PCR検査陽性率は36.9%で過去最高を更新しています。
過去最多更新をうけて県は29日、急遽、ホームページのトップページで「感染者急増中」として感染防止対策徹底の呼びかけを始めました。
マスクの着用や換気といった基本的な感染症対策を徹底するとともに、春の移動シーズンとも重なることから、外出する場合は混雑した場所や感染リスクの高い場所は避け、会食をする場合は、なるべく普段いる人たちと短時間で行い、食事は静かにして会話はマスクを着けてするよう呼びかけています。