5~11歳の接種どうする?医師が語るメリット・デメリット

新型コロナの“第6波”で子どもの感染も増える中、5歳から11歳へのワクチン接種が始まってはいるものの、子どもに接種を受けさせるべきか迷っている保護者も多いと思います。その判断材料を提供しようと、鹿児島市の医師がオンラインの勉強会を開きました。

県内でも今月から始まった、5歳から11歳の子どもへのワクチン接種。国が「努力義務」への適用を見送っていることもあり、子どもに接種させるのかどうか?保護者の意見は様々です。

(6歳女児と父親)
「まだ打ったことがないから緊張する」
「本当にいいかよく分からないので迷ってはいる」

(5歳男児と母親)
「打つ」
「できるだけ打たせる。コロナにかかったら症状が軽い方がいいので」

(9歳男児と母親)
「痛いから嫌だ」
「自分も(接種したとき)熱が出た。同年代でも(子どもが)小柄なほうなので気になる」

(濱田努医師)「正解を目指すのがワクチンの考え方ではなくて。納得を目指す」

鹿児島市喜入町でクリニックを開業している内科医の濱田努さんが、21日、オンラインの勉強会を開きました。3人の子どもを育てる父親の一人として、判断に迷う保護者たちにできるだけ多くの情報を提供し、参考にしてほしいとの思いで企画しました。

まず説明したのが、接種のメリットです。

(濱田努医師)「ワクチンを打つことによって、人から人へうつしにくくなるというメリットがある。子どもは軽い症状が多いと言われる。ただ、特に病気を持つ人は注意した方がいい。肺の病気や心臓の病気を持っている子は体調が悪くなることがある。ワクチンを打つことで、感染したとしてもきつくなく過ごすことができる」

そして、デメリットとして副反応を上げました。

(濱田努医師)「打った場所が痛くなる。4人打ったら3人ぐらいは打った場所が痛くなる。そして、頭が痛い。28%。4人打ったら1人ぐらい、頭が痛いという子がいると思う」

一方、有効性については、5歳から11歳までの接種に使われるファイザー社製ワクチンを2回接種した場合の予防効果は、オミクロン株ではデルタ株と比べて、大幅に低下するというデータも紹介されました。

(濱田努医師)「5歳から11歳のワクチンは、デルタ株に対しては9割効くことが分かっている。『90%効くならいい』と思うかもしれないが、オミクロンに対しては違う。33%。せっかく打つのに、なんでこんだけしか効かないの、となってしまう」

今後、さらなる科学的知見の積み上げが求められる中で、判断を迫られている保護者たち。濱田医師は、自分たちの生活環境なども踏まえてメリット、デメリットを考え、家族で話し合うことが大事で、子どもの気持ちも尊重した上で納得いく結論を出してほしいと話します。

(濱田努医師)「打つリスクと一緒に比べないといけないのが、打たないリスク。打つリスクは副反応。打たないことによって何が起きるのか。たとえば『感染しやすいよね』とか『重症になることもあるよね』とか、周りに広げることもある。打つリスクと打たないリスクを天秤にかける必要がある」

オンライン勉強会の資料は「きいれ浜田クリニック」のフェイスブックで見ることができます。