子ども・高齢者の感染拡大 専門家「対策を優先すべき」
「まん延防止」措置の延長について、専門家は「飲食店への時短要請の効果は以前ほど期待できない」と指摘し、新型コロナウイルス感染が増える子どもと高齢者への対策を優先すべきと話します。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「これまで飲食店などでの会食などが多かったが、今はどこで感染したかわからないという人が非常に増えていると思う」
鹿児島県内では今月、12件のクラスターが発表されましたが、飲食店では確認されていません。専門家は感染の場が、飲食店など会食の場から児童施設や高齢者施設に移りつつあるとして、飲食店への時短要請などによる効果は限定的と話します。
(西教授)「飲食店を中心とした対策では、この感染の拡大は止められない。どこかで(時短要請は)緩和していく方向が必要。利用者の感染対策をしっかり実施するということで、現実的に対応していくべき」
感染者を年代別でみると、「まん延防止」適用前は20代の割合が20%を超えるなど若者の感染が目立ったのに対して、適用後は10歳未満と60代以上の割合が増えていて、子どもと高齢者への「感染の二極化」が見られます。
西教授は、一斉休校や休園は必要ないものの、症状がある場合は子どもを休ませ、感染を広げないことが重要と話します。
(西教授)「(子どもは)ほとんど軽症なので、これを抑え込むために過剰な対策は、子供たちの教育の機会を奪うことになる。呼吸器症状や熱がある子供が登校しないように、保護者の方にはお願いしたい。
インフルエンザの登校基準と一緒で、解熱後2日・発症から5日間は休む。これはコロナに限らず、かぜ症状、発熱などがある場合は守ってほしい」
また県内では今月、28人の死亡が発表されていますが、「リスクの高い基礎疾患を持つ人や高齢者への3回目のワクチン接種などの対策を急ぐ必要がある」と話します。
(西教授)「高齢者施設・医療機関の集団感染予防に力を入れていかないと少し危険な状態。2回接種ではオミクロン株には対応できない。重症化を予防するかもしれないが、発症して広げることがもう見られているので、3回目接種が必要。接種を急ぐということが何よりも重要」