鹿児島県コロナ対策強化 若年・妊婦大規模接種など柱

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、塩田知事は27日、対策強化を打ち出しました。若い世代や妊婦などへのワクチン大規模接種や、酸素投与などを行う、中間治療施設の設置などが柱です。

(塩田知事)「新型コロナウイルス感染防止対策の強化、新たな対策として6つ実施することにしています」

27日の定例会見で、塩田知事は鹿児島県の対策強化を打ち出しました。その1つが大規模接種の追加実施です。

◆対象:県内全ての市町村に住む16歳から39歳までの若い世代、妊婦やその同居家族、小中学校の教職員
◆モデルナ社製のワクチン使用
◆会場:鹿児島市の会場はLi-Ka1920の5階「ライカ南国ホール」、霧島市は国分保健センター
◆期間:1回目は来月13日から26日、2回目は10月11日から24日の予定
◆予約方法:今後、県が公表

ワクチン接種は各自治体などで進んでいるものの、県内の26日時点の接種率は1回目が46.96%、2回目が38.26%に留まっています。
予約開始が遅かったり、ワクチン供給が一時と比べて減ったりしたために接種が遅れている若い世代の接種を増やす狙いです。

一方、27日で県が独自の「緊急事態宣言」を出して2週間、「まん延防止等重点措置」が適用されて1週間となりますが、病床使用率は7割を超え、自宅待機も1300人を超えて過去最多となるなど、医療のひっ迫が続いています。

このため、県は病床数を78床増やして566床とするほか、28日から療養用の宿泊施設を351室増やすなど、医療提供体制の充実も打ち出しました。

さらに、酸素投与や、重症化を防ぐ効果があるとされる「抗体カクテル療法」などを行う「中間治療施設」を来月上旬に開所します。

宿泊施設や自宅にいる感染者が治療が必要になっても入院できない場合に、重症化をさけるため治療を受けることができます。

(塩田知事)「入院・治療が必要な人がいて、さらにそれを上回る人が出てきた場合に、そういった治療行為が出来るような病院に準ずるような施設が必要ではないか。ホテルに療養している人や、自宅待機者で酸素投与が必要になったときに、そこにも行けることも視野に入れながら考えている」

さらに、8月に入って急増し、26日も1300人を超える自宅待機者に対応するため、健康観察機能を持ったコールセンターの運用を27日から始めました。
保健所の業務負担を減らすとともに、自宅待機中に異常があった場合に直ちに保健所と連携して対応するとしています。