新型コロナ 急増する自宅待機 在宅医療の専門家は
鹿児島県内では新型コロナの感染者が急増し、医療機関や宿泊施設に入れず自宅で待機している人が3日連続で1000人を超えています。感染して自宅待機となった場合、どんなことに注意すればいいか。在宅医療を専門とする医師に聞きました。
今、県内では1000人以上が医療機関などで療養できず、自宅で待機している状況です。地域別の待機者数は、今月21日時点で、感染者が最も多い鹿児島地域がおよそ700人と最も多く、次いで、奄美地域が150人、姶良・伊佐地域が100人、川薩地域が50人などとなっています。
県と鹿児島市は自宅待機の感染者が急変しないか、1日1回から2回、電話で症状や体温を聞き取りしているほか、自宅で血液中の酸素濃度が測定でき、重症化を察知する「パルスオキシメーター」を従来の800台から2800台に増やし、貸し出すことにしています。
急増する自宅待機に在宅医療を専門とする医師は…。
(五反田医師)「結構大変な状態になっていると実感している」
鹿児島市医師会の在宅医会の会長、五反田満幸医師です。自宅待機となった場合、感染者とほかの家族の部屋を分け、距離を置くることが感染対策上、最も大切だと話します。
(五反田医師)「デルタ型は家庭内感染を防ぐのはなかなか難しい。やはり今回の変異型はそれだけ特殊。家庭内で接触を避けるなど対策を」
家庭内での感染拡大を防ぐのは難しいものの、部屋の換気や消毒をこまめにし、部屋を出入りする際はマスクを着用、同じ食器を使わないなど、接触の機会を減らすことが大切だといいます。そして、自宅待機中に、最も気をつけないといけない変化は…。
(五反田医師)「この病気の一番のサインは呼吸の苦しさ」
しかし、若い人ほどこの「息苦しさ」に気づきづらいといいます。
(五反田医師)「若い人ほど状態が悪い時、呼吸回数を増やして(血中の酸素濃度が)下がらない人もいる。(分からない場合)運動させてみると、すぐ酸素が低下する。歩くだけでも下がる。呼吸困難を見る時に少し心配なら、動いてみれば判断の参考になる」
呼吸の状態を確認するには、指を差し込むだけで血液中の酸素濃度が分かる「パルスオキシメーター」を使うことも有効と話します。
(五反田医師)「正常な値が95前後。それを下回ると注意が必要。限りなく90に近いと、酸素吸入の必要性が高くなる」
病床や療養施設のひっ迫で県内では、1000人を超える自宅待機者が不安な毎日を過ごしています。感染者が適切な治療を速やかに受けられるよう、一刻も早い医療体制の整備が求められています。