最多245人の衝撃 地方でも影響広がる

新型コロナの感染者は17日は245人で、過去最多を大幅に更新しました。爆発的な感染拡大の影響は県都・鹿児島市だけでなく、地方でも広がりつつあります。

(塩田知事)「本当に衝撃的な数字だと受け止めております」

報道陣の問いかけに「衝撃的」と答え、驚きを隠せない塩田知事。県内では17日、感染者が新たに245人確認され、これまで最多だった今月14日の164人を81人上回り、過去最多を更新しました。

17日は九州でも6県で過去最多を記録しましたが、鹿児島の245人は人口の多い福岡・熊本に次ぐ数で、最多を更新した宮崎や長崎の2倍以上と、非常に多くなっています。

17日の245人を年代別に見ると、20代が58人で最も多く、10代が46人、30代が37人と、10代から30代が6割近くを占めています。
市町村別では、鹿児島市で過去最多の113人、伊佐市で16人、奄美市と喜界町で13人ずつ、霧島市で12人など、25の市町村となっていて、地域の偏りはほとんどなく、広いエリアで確認されています。

新型コロナの感染は、都市部など人の多いところで拡大してから地方に波及する傾向がありますが、鹿児島でもここにきて鹿児島市以外の「地方」での感染が拡大しています。

県内で今月発表された感染者を鹿児島市発表分とそれ以外で見てみると、初旬は鹿児島市発表分が多く、7割ほどを占める日もありましたが、お盆休み以降は、鹿児島市以外も増えていて、17日は鹿児島市発表分を上回りました。

地方でも危機感が高まっています。伊佐市では15日に5月下旬以来となる感染者が1人確認され、続く16日も1人でしたが、17日は16人と一気に増えました。

これを受けて伊佐市は独自の「非常事態宣言」を発表。期間は今月18日から31日までで、不要不急の外出の自粛や三密の回避など感染防止対策の徹底を呼びかけています。

(伊佐市 橋本欣也市長)「短期間にこれだけの感染拡大があるということは、危機感を持ってやらないと、どんどん広がっていく。思い切って宣言出した。一人ひとりが危機感をもって対応することで、抑え込んでいきたい」

また、図書館やスポーツ施設など伊佐市の43の公共施設全てを今月18日から31日まで休館にしました。

一方で、県内の医療はひっ迫しています。16日時点で県が確保している病床458床のうち、311床が使われていて、使用率は67.9%とこれまでで最も高くなっています。

また804床準備されている宿泊施設での療養者は、344人で、使用率は42.8%となっています。このほか、476人が自宅で療養しています。これに、17日に確認された245人が加わることになり、医療体制はさらに厳しくなるとみられます。