病床ひっ迫で高まる懸念 「自宅療養」への備えも

新型コロナの感染拡大で、鹿児島県内に425床ある病床の使用率は9日時点で50.8%となり、ステージ4水準の50%を上回りました。医療ひっ迫への懸念が高まる一方、自宅療養を視野に入れた備えも進んでいます。

鹿児島市のかごしま高岡病院では、新型コロナの病床を今週から2つから3つに増やしました。感染拡大に危機感を募らせています。

(かごしま高岡病院 高岡俊夫院長)「コロナの患者が増えて入院受け入れがなかなか難しくなって、中等症でも入院できないということが今後起こり得るのではないかというのが一番の懸念」

病床使用率は、県内で特に感染者が多い鹿児島市を中心とした医療圏で高まっていて、今月1日は30%台でしたが、8日時点で63.8%まで上昇しています。

これ以上増えたら、感染者が病院や宿泊施設に入ることができず、自宅で療養せざるをえない状況が県内でも生じるおそれもあるとして、県は準備を進めています。

(塩田知事)「変異株の影響によって容態が急変することも考えられることから、パルスオキシメーターの配備など万全の対策を取るべく準備を進めているところ」

県が準備を進めている「パルスオキシメーター」は、指を入れて血液中の酸素の量を測る機器で、肺炎などで呼吸がどれだけ難しくなり、酸素が足りない状態になっているのかを判断する材料となります。

(かごしま高岡病院 高岡俊夫院長)「それぞれの患者さんで違うが、(酸素飽和度が)『93』を切ってくると重症化しているんじゃないか、中等症の悪いほうじゃないかとか、判断をしている。非常に役に立つ機械のひとつ」

県はこれまでにパルスオキシメーターを800個準備していて、このうち500個を療養先の宿泊施設に配置。残る300個を今後、自宅療養者が出た場合に活用する考えです。

ただ、高岡院長は、安全に経過を見ていくにはやはり入院が望ましいとして、病床の確保と感染者を増やさないための対策が改めて重要になると訴えます。

(かごしま高岡病院 高岡俊夫院長)「やっぱり入院して、安全に経過を見ていければと思うが、病床には限りがありますので。まずはそれぞれの人が感染しないうつさないということが大事で、みなさん本当大変だと思うがここは我慢して、(感染リスクを)避けていただきたい」