県内でも確認 インド型の変異ウイルス 特徴・ワクチンの効果は?

今月21日、鹿児島県は新型コロナのインド型変異ウイルスの感染者が、県内で初めて確認されたと発表しました。感染力が強いとされるインド型とはどのようなウイルスなのか、専門家に聞きました。

(済生会鹿児島病院 久保園高明院長)「イギリス型が出たイギリスでも、かなりインド型に変わっていて、やがては世界中に広がる可能性のある変異ウイルス」

県は今月21日、インド型変異ウイルスが県内の男性から確認されたと発表しました。インド型の確認は九州でも初めてです。
感染が確認された男性は、4月下旬から5月上旬にかけて海外への渡航歴があり、5月上旬に発症しました。同居する親族2人の感染も判明し、県はインド型とみています。

インド型の変異ウイルスは、県内でも感染が拡大しているイギリス型以上に感染力が高い可能性があるとされていて、重症化への影響については詳しくは分かっていません。また、国内で接種が進むワクチンについては効果を弱める可能性も指摘されています。

日本感染症学会が認定する専門医で済生会鹿児島病院の久保園高明院長は、「感染力が強いことは分かっているものの、ワクチンの効果は少なくとも一定の効果はある」と話します。

(久保園院長)「データは出そろっていないが、従来型の2倍か、それ以上感染力が強いと言われている。今回の変異型はワクチンで免疫を付ける抗体の力を弱めると言われている。ただ、国内で打ち始められているファイザー社のワクチンに関しては、2回打てば効果は、90パーセントぐらいあるのではと言われている」

埼玉県では海外渡航歴のない男性のインド型の感染も確認されたほか、今月12日に国立感染症研究所は「懸念すべき変異ウイルス」に位置付け、監視体制を強化しています。今後、国内の感染の主流がイギリス型に置き換わっていったように、より感染力が強いインド型の感染が広がっていく可能性も高いと久保園院長は指摘します。

(久保園院長)「イギリス型が流行したイギリスでさえ、かなりインド型に変わった。日本においても、鹿児島でも水際できちんとした対策ができない限り、今流行しているイギリス型がやがてはインド型になる可能性は高いと思う」

久保園院長は「マスクや手洗いなどの基本的な感染症対策は変わらないとしながらも、感染力が高い変異ウイルスに対してはより高い意識が必要」として対策の徹底を呼びかけます。

(久保園院長)「どんな変異型でも対策は変わらないので、そこに集中するのが大切。従来の型や感染力が強いとされるイギリス型よりももっと強いので、基本的な感染対策をおろそかにすると比較的簡単うつってしまう。マスクや手洗いをきちんといつもしておくことが大切」