• 鹿児島発 コロナに負けない!
  • 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や経済に暗い影を落としています。一方で、先が見えない不安の中、この逆境に立ち向かう人たちがいます。このシリーズでは、新型コロナに負けまいと頑張っている人や企業などを紹介します。

時短の逆境はね返せ 中華居酒屋の挑戦

きょうは営業時間短縮要請が行われている5つの市のうちのひとつ、薩摩川内市で新たな取り組みを進める中華居酒屋に迫ります。大久保記者の取材です。


(こたろう・岩吉真悟店長)「やっていてむなしくなるというか、つらいときもあるんですけど、日常を取り戻す日は必ずくると思うので、そこまでふんばってがんばるだけです。」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県の営業時間短縮要請の期間が続く薩摩川内市です。
中心街にある中華居酒屋・こたろう。
要請を受け午後11時までだった夜の営業を9時までに短縮しています。

(岩吉店長)「(売り上げは以前の)6~7割。今が一番きついのかなと感じます」

岩吉真悟店長です。客は今年に入りさらに減っていますが、店を開け続ける決意です。

(岩吉店長)「休んでしまうとスタッフにも給料を払えないですし、仕入れをしないと今度は業者さんも困りますし、閉めるという選択肢は去年からない。それで赤字になったとしてもお金を回すのが一番。今だからこそできる客とのつながりをひとつずつ大事にしていかないといけない」

こたろうがいま力を入れているのが、テイクアウトメニューです。
料理の7割が持ち帰りに対応し、大きな柱になっています。


薩摩川内市役所です。こたろうに配達の注文が入りました。

市では現在、苦境にある飲食店を支援しようと、職員にテイクアウトやデリバリーの活用を勧めています。
この日こたろうへの注文は26食でした。

(市の職員)「こたろうも知っているところなんですけど、市役所の立場というのもあったり、友達の立場もありますが、いっしょに頑張っていこうというのを伝えたい」
(こたろうの店員)「今は客が少ないので、テイクアウトで注文いただけるのはすごくありがたいです。頑張らないと(と思う)」


来店客が激減する中、活路となるデリバリーサービス。
岩吉店長がスマートフォンでやりとりをしながら、料理を作り始めました。

完成時間を見計らい現れる黄色いベストの配達員。薩摩川内市でいま注目を集めている宅配サービス・センデリイーツの配達員です。

センデリイーツはインターネットとLINEを使い、客が飲食店の料理を24時間注文でき、午後5時から9時までの間に宅配で受け取ることができるサービスです。

配達は合併前の旧川内市の範囲に限られますが、それより遠い客も境界線にあたる待ち合わせポイントまで届けてもらうことが可能です。


加盟する8店舗のひとつ・かっちゃんファイヤーです。

出来上がった料理を配達員が受け取りました。向かった先は、3キロ南の隈之城地区です。

宅配サービスの利用客は
「(Q.よく利用される?)めっちゃ使います。家に居ながら店の料理が食べられますし、支援の思いもありますけれど、実際にこうやって来てくれるので助かります」


センデリイーツを運営する広告宣伝会社オーズカンパニーです。
大上泰弘社長は宅配をきっかけに店をPRし、将来的には来店客の増加につなげるのが狙いとします。

(オーズカンパニー・大上泰弘社長)「デリバリーもあるんですけど、最終的に店舗さんに頼んだお客さんが行ってもらうという、そこまでが理想形、理想像だなと思っている」

宣伝も含め、料理の値段の2割分を店から受け取る仕組みですが、経営はぎりぎりと言う大上社長。しかし、地元の飲食店とともに一歩でも前に進みたいと抱負を語ります。

(大上社長)「自分の地元であるし、皆でこの街を盛り上げていければだし、助けていければいいのかなと思います」


おとといの節分の日、こたろうが新機軸を打ち出しました。チャーハンをベースにエビ・エビマヨ・酢豚3種類の恵方巻をテイクアウトで販売する。

この挑戦に、目標の150本をはるかに上回る250本の予約が入りました。

(岩吉店長)「(炊いたお米は)18升・27キロ。間に合うか心配しながら、ドキドキしながらやっていました。チャーハンで恵方巻はタブーみたいな所があったんですけど、やってみればできないこともない」

受け取りに来た常連客は

「(こたろうは)とにかく全部おいしい。子どももすごく好きです。頑張って欲しいです」
「ちょっとでも貢献できたらということで。応援したいなというふうに思います」

さまざまなアイデアを繰り出しながら、コロナに立ち向かっていきたい。岩吉店長は決意を新たにします。


(岩吉店長)「(客に)頑張ろうという活力をもらった。みんなでコロナに負けない、コロナに勝つという気持ちでやっていきたいと思います」


薩摩川内市の中華居酒屋・こたろうの連絡先は0996-20-2747です。
市内8店舗の飲食店の予約・宅配ができるセンデリイーツのホームページはこちら