種子島で免許合宿通じて地域創生を
きょうは、関東の大学生が種子島・西之表市で自動車免許を取得する合宿をしながら地域の課題解決に取り組む様子をご紹介します。
今月12日。種子島空港に到着したのは慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに通う2年生の学生5人と教授です。
学生が種子島に来た目的、それは自動車免許取得のための合宿免許です。
首都圏など都会に住む大学生は長期の休みを利用して地方に滞在しながら集中して教習を受けられる「免許合宿」で免許を取得する人もいます。
取得までの期間はオートマ限定で16日ほど。種子島自動車学校では北海道から沖縄まで全国各地から大学生が教習を受けに来ています。
(種子島自動車学校 伊達昭博社長)「(島内は)少子化で、免許人口も少なくなってきているので、自動車学校の業界も模索しながら生徒の確保をしていますね。(合宿通じて)種子島の魅力も伝えていっていただければ、種子島全島の活性化に繋がっていく」
その一方で、教習以外の空き時間は、暇をもてあますと先輩や同級生から聞いた慶応大学の学生たち。
この空き時間を活用して地域のために何かできないか?と考えていました。
その考えが種子島に住む大学OBに伝わり、今回、鹿児島相互信用金庫と西之表市、種子島自動車学校と協力し、「地域創生コラボ免許合宿プログラムin西之表市」を行うことになりました。
学生は、種子島に滞在する3週間前後で、地域の課題を見つけ、地元の人と一緒に解決へのヒントを探ります。
5人は先月、事前に島を訪れ調査した上で、「働くを伝える」「安納芋のお土産開発」「民宿の魅力発信」「廃校舎利用」をテーマにすると発表しました。
島外の学生の視点に期待も高まります。
(西之表市 八板俊輔市長)「中から見えない、気づかなかったり、そういうことに価値観を見出してくださって非常に嬉しいきもちがいたしました」
(鹿児島相互信用金庫 稲葉直寿理事長)「彼らの”若さ”というひとつの大きな発想、着眼点は我々が知りたい、聞きたい、吸収したい。そういう意味では期待したい。」
こうして始まったプログラム。スタート時には免許取得と地域の課題解決を両立できるかとまどいも。
遠藤稜佳さんと矢島実保さんは、「働くを伝える」をテーマに地元の高校生と一緒にフリーペーパー制作を行います。
話を聞きに向かったのは創業170年の老舗ホテルです。
種子島の高校生の多くは卒業と同時に、就職や進学で島を離れます。若者の島外流出は島の課題です。
2人は高校生と一緒に地元で働く人から話を聞き、フリーペーパーにまとめることで、どんな人がどんな仕事で島を支えているか広く知ってほしいといいます。
(遠藤さん)「高校生が聞きたいことを聞くと、必然的に読者の高校生も読みたくなることを理想として。高校生のおかげで良い感じに進められています」
インタビュー取材は、45分間にも渡りました。
(高校生)「あまり関わることがない人と、近くで話を聞いてみて、島想いだという所が知ることができて、温かいなと。このお湯のように」
フリーペーパーは、ホテルやクリーニング店など4か所を取材し、完成後は高校生を中心に配られます。
(種子島あらきホテル 荒木正臣専務)「地元目線では分からないところが、上手く発信してくれるのかなと。私も含め気づきをもらいますし、いろんな人たちと交流の輪が深まれば、島に活気をもたらしてくれるのでは」
プログラム開始からきょうで9日。学生たちは着々と地域プロジェクトと免許合宿を進めています。
学生が見つけた地域の課題がどう種子島の未来につながっていくのか。
今月末まで活動は続きます。