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知事選告示 記者解説 現職・新人三つどもえの構図 波乱含みの展開に 鹿児島

任期満了にともなう鹿児島県知事選挙が20日に告示され、現職と新人2人のあわせて3人が立候補しました。

まずは選挙戦の構図をみていきましょう。

米丸さんの出発式には、県議時代の人脈で集まった現職、元職の県議らも駆けつけ、県政の刷新を訴えました。特定の組織に頼らない戦略で、「鹿児島初の女性知事誕生」を掲げ、支持拡大を図ります。

樋之口さんの出発式には、自主的な支援を受ける共産党の県議や市民団体の関係者が集まりました。川内原発の運転延長や防衛力強化への反対などを掲げ、浸透を狙います。

塩田さんの出陣式は自民、公明、国民民主の与野党3党が「相乗り」するかたちとなりました。4年前からの支持者も加わり、組織と草の根の両輪で戦いを展開しています。

米丸さんと樋之口さんは「反現職票」の分散も予想されますが、1期4年の実績を前面に打ち出す塩田さんにどこまで対抗できるか、注目されます。

キャスター:
どんな点が争点になっているんでしょうか?

記者:
今回は塩田さんの1期4年の県政運営に対する評価や、少子化対策、県がドルフィンポート跡地で進めている新たな総合体育館の整備、川内原発の運転延長、防衛強化の動きなどが争点にあがっています。

また、選挙戦の構図を巡っては、初日の20日、次のような動きがありました。

米丸さんの出発式で塩田さんを批判したのは、県医師会の政治団体「県医師連盟」の池田琢哉委員長です。県医師連盟は救急医療体制の整備などで、塩田さんとの政策協定に「そごが生じた」とし、今月14日、塩田さんの推薦を取り消したばかりです。

(県医師連盟 池田琢哉委員長)
「皆さん、鹿児島の県政どうですか?明るくない。希望もない。この4年間、がっかりだった。ここで変化させないといけない。改革させないといけない」

医師連盟が対抗馬の新人を応援するのは異例のことです。

(米丸麻希子候補 無・新)
「医師会が一生懸命に応援してくれる。私の友人たちが応援してくれるかたちになっている」

医師連盟と塩田さんとの溝が深まった要因の一つが、救命救急センターの指定を巡る県の対応です。

塩田さんは鹿児島市の米盛病院の指定に前向きな姿勢ですが、県医師会は「霧島市や大隅地方での指定を優先すべき」としています。出陣式では医師連盟を意識し、語気を強める場面もありました。

(塩田康一候補 無・現1)
「鹿児島市内も足りない。医師会の推薦よりも県民の命を守りたい」

一方、樋之口さんは川内原発の20年運転延長について、塩田さんが県民投票を行わなかったことについて「県民の代表だという自覚がない」などと批判しました。

(樋之口里花候補 無・新)
「ここ何日間か討論会で塩田さんと同席することもあったが、反省している姿は全くない。県民投票を行って政治を進めていきたい」

記者:
大荒れの天気の中、スタートを切った波乱含みの選挙戦。有権者は県政の継続を選ぶのか、刷新を選ぶのか。県民の審判に注目したいと思います。

県知事選は来月7日が投票日です。