• HOME
  • 特集 , 特集・レポート
  • H3ロケット打ち上げ失敗後初 原因となった第2段エンジンの燃焼試験「重責負った試験」 鹿児島県(2023年7月26日放送)

H3ロケット打ち上げ失敗後初 原因となった第2段エンジンの燃焼試験「重責負った試験」 鹿児島県(2023年7月26日放送)

日本の新たな基幹ロケット「H3」は3月に初号機の打ち上げが失敗し、2号機の打ち上げに向けて対策が進められています。失敗の原因となった第2段エンジンの燃焼試験が、失敗後、初めて行われました。


秋田県大館市、その山間にある三菱重工業の試験場です。H3ロケットの第2段エンジンの燃焼試験の準備が進められていました。

H3は、今年3月に初号機が種子島から打ち上げられましたが、第2段エンジンに着火せず失敗。JAXA=宇宙航空研究開発機構は、第2段エンジンでショートか漏電が起きて想定を超える電流が発生し、着火しなかった可能性が高いとしていて、点火装置の絶縁処置やX線検査を強化する9つの対策を講じることを決めています。
打ち上げ失敗後、初めてとなる今回の第2段エンジンの燃焼試験は、9つの対策の成果を確かめるものとなります。

(三菱重工業・宇宙事業部 恩河忠興次長)「H3の失敗を受けて、できる限りの対策を打ったものを造り上げてエンジンに装着しているので、非常に重責を負った試験」

エンジンからすさまじい勢いで吹き出す炎。その温度は3000度にも上ります。上空から見ると、炎の勢いで砂煙が上がっている様子が分かります。今回の試験では計画通り50秒間燃焼しました。

H3の第2段エンジンの一部のシステムは、H2Aの第2エンジンにも使われているため、5月に予定されていたH2A47号機の打ち上げは、来月26日に延期されています。
三菱重工業は今回のデータの分析を進めていて、問題がなければH3初号機の失敗を受けて講じた9つの対策を、今年度後半に計画されてるH3の2号機だけでなく、H2A47号機の打ち上げにも反映させることにしています。