新型コロナ警戒基準 専門医「近くステージ上げ必要」

鹿児島県の新型コロナの警戒基準は現在ステージ2ですが、一部の指標はすでにステージ3水準となっています。専門医は、東京などでの感染拡大が今後、鹿児島にも波及するおそれがあるとして「近くステージを上げる必要がある」と指摘します。

県内では先月25日以降、毎日、感染者が2桁の状態が続いていて、3日は45人と、6月5日以来およそ2か月ぶりに40人を超え、4日も44人となっています。

全国的な拡大の背景に従来より感染力の強い「デルタ型」の変異ウイルスの広がりも指摘される中、日本感染症学会が認定する専門医で、済生会鹿児島病院の久保園高明院長は、先月22日からの4連休も大きく影響したとみています。

(久保園院長)「オリンピックに関係があってもなくても旅行した人は多かったと思う。その影響が出てきている面もある。この増加は一時的なものではなく、これから先も少しの波はあるものの、まだ確実に増え続けると考えられる」

県の警戒基準はステージ2「感染者漸増」が続いていますが、病床使用率は30%を超え、ステージ3の指標20%を上回る状況が続いています。また、PCR検査陽性率もステージ3の指標5%を上回っています。久保園院長は、東京などでの感染拡大が今後、鹿児島にも波及するおそれがあるとして、「近くステージを上げる必要がある」と話します。

(久保園院長)「(感染者が)東京で爆発的に増えているので影響は鹿児島にも来る。近いうちにステージは上げる必要はある。タイミングは4連休の影響を見極めてから上げることになるかと思う」

一方、政府は感染拡大地域では重症者と重症化リスクの高い人以外は自宅療養とする方針を示し、議論を呼んでいます。鹿児島の医療体制は現時点では東京などと比べてひっ迫しておらず、まだそうした対応が迫られる段階ではないものの、仮に爆発的な感染拡大が起こった場合は相当厳しい状況になるおそれもあることから、まずは消毒や3密の回避など基本的な感染症対策を徹底してほしいと話します。

(久保園院長)「新型コロナウイルスの1つの特徴が、軽症者でも時間単位で悪くなって重症化してしまうと言われている。どう対応するかを検討した上で政策が行われるべき。症状があっても入院できなくなるかもしれないということを考えながら、毎日感染対策をしていく必要がある」