学校サークル活動でクラスター 感染を防ぐには

鹿児島県内では12日、鹿児島市の学校のサークル活動で新たなクラスターの発生が発表されました。先月から児童施設や学校など、子どもや若い世代が集まる場でのクラスターが相次いでいて、専門家は、大人も含めて感染力が高い変異ウイルスに対する対策の徹底が必要だと話します。

12日に発表された県内44例目のクラスターは、鹿児島市内の中学・高校の屋内のサークル活動で発生し、13日までに16人の感染が確認されています。鹿児島市によりますと、活動中は換気されていましたが、休憩中にマスクをはずして話をしていたのが感染拡大の原因とみられています。

日本感染症学会が認定する専門医で、済生会鹿児島病院の久保園高明院長は、活動の最中よりも、その前後の行動に注意が必要と話します。

(久保園院長)「ごく最近発表された外国の論文でも、対面での会話がかなりリスクが高いと言われている。例えば自分の番が来るまで待ってる間にマスクを外しておしゃべりしたり、今まで言われてるように、トイレや更衣室で感染が起こる可能性が高いので、クラブ活動や競技の最中ではなく前後で十分な注意が必要」

先月から今月にかけての県内でのクラスターの発生状況です。今年に入ってから先月までの間は、学校や児童施設などでのクラスターは発生していませんでしたが、先月下旬に鹿児島市と霧島市の児童施設でクラスターが発生。今月に入ってからは、高校総体、サークル活動と学校現場でのクラスターが相次いでいます。

10歳未満から10代の若い世代を含むクラスターが立て続けに発生していることに対し、久保園院長は、感染のきっかけは大人である可能性が高いとしたうえで、変異ウイルスの影響で子どもの間で広がりやすくなっていると話します。

(久保園院長)「最初から子どもたちの間で感染が広がることは考えにくい。大人の世界を含めて、市中にぽつぽつと広がってきていたものが家庭に入り、家庭から子どもに感染が移行していった。従来の株ではなかなか子どもに感染しにくいと言われていたが、(感染力の高い)変異ウイルスの影響で子どもにもかかりやすくなっている面もある」

県によりますと、先月28日から今月3日までの1週間で、陽性者に占める変異ウイルスの感染疑いは9割にのぼっています。久保園院長は、より感染力が強いインド型変異ウイルスへの警戒も必要だとして、社会活動が再開する中でも、感染対策をより徹底する必要があると話します。

(久保園院長)「どちらかというとサークル活動や社会活動の制限が緩和されてきて、気も緩みがちで感染対策がおろそかになっている。より感染力が強いウイルスが流行りだしているので、従来通りの感染対策をより厳密に今していく必要がある」