新型コロナワクチンQ&A ワクチンの仕組みは?
鹿児島県内でも高齢者への新型コロナワクチン接種が1週間後の4月12日(月)から始まります。ニューズナウではワクチンに関する疑問についてお答えするシリーズをお伝えします。
1回目は新型コロナワクチンの仕組みについてです。ワクチンの開発に携わった鹿児島県いちき串木野市出身の医師でアメリカ・スタンフォード大学の西村俊彦さんに聞きました。
高齢者の接種開始に向けて準備が進む新型コロナのワクチン接種。そもそも、ワクチンとはどのようなものでどのような効果が期待されるのでしょうか?
(西村俊彦医師)「ワクチンを打つと体の中で細胞が働いて、自分の体の中で自分で抗体を作る」
ファイザー社製ワクチンの開発に携わった西村俊彦さんです。一般的に一度感染症にかかるとウイルスや細菌などの病原体に対する抵抗力=「免疫」ができます。ワクチンはこの仕組みを利用してあらかじめ免疫をつけ、新型コロナに感染しても発症や重症化を防ぐことが分かっています。
(西村俊彦医師)「(新型コロナウイルスが)入ってきても自分の体が守ってくれるので、体の中にウイルスが入って増えていても、発症して病気にならない人もいる。病気になったとしても軽症で済む可能性が高い」
国内で利用されているファイザー社などの新型コロナワクチンは、病原体そのものを弱めて注射する「生ワクチン」や「不活化ワクチン」ではなく、ウイルスのタンパク質の遺伝情報=メッセンジャーRNAを使ったワクチンです。
メッセンジャーRNAには遺伝子の情報が入っていて、新型コロナワクチンの場合、注射で体内に入ると、細胞がその情報を読み取って、とげのタンパク質を作ります。身体がこのタンパク質を「異物」と判断し、攻撃することで、免疫がつくのです。
メッセンジャーRNAで作られるタンパク質で新型コロナに感染することはありません。また、タンパク質を合成した後はすぐに分解されるので、体の遺伝子情報が書き換わることもありません。