榎本ら旧幕府軍の11月は
蝦夷を占拠する榎本武揚率いる旧幕府軍について、11月の主な動きをまとめました。
榎本武揚率いる旧幕府軍は5日、土方歳三率いる陸戦部隊が松前藩の松前城を占拠しました。その後、館城と経済と交通の要所・江差を攻略し、旧幕府軍は箱館の五稜郭を拠点に、蝦夷の実効支配を固めます。松前藩主の松前徳広は、蝦夷地を追われ、船で弘前に逃げましたが、病死しています。
作戦を進めるかたわら榎本は、新政府やイギリス・フランスなどに蝦夷の旧幕府軍に自治権を認めることなどを求め嘆願書を出しましたが認められていません
榎本は、蝦夷の局地戦で圧倒的な優勢を保ちながら、国内においても国際的にも自立した勢力とは認められていない状況です。
11月15日には主力艦の「開陽丸」が江差で座礁し、その後沈没していて、旧幕府軍の戦力は大幅に低下しています。
対する新政府側は山田顕義率いる長州藩兵を中心とする部隊900人を青森に派遣し、武力行使の時機を慎重に検討しています。