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観光 急激な変化

九州新幹線の開業、外国人観光客の増加など平成に入り急激な変化を見せています。久保キャスターの取材です。

平成元年の指宿市です。バブル経済が好景気が続いていたこの頃、職場旅行など団体客で県内の温泉地なども賑わいました。

しかし、その後、バブルが崩壊。景気とともに、観光産業も低迷する中起爆剤となったのが…。

(土屋知事)「まさに世界の屋久島になりますからね」
平成5年、屋久島が世界自然遺産に登録。平成27年には明治日本の産業革命遺産も世界文化遺産に登録されるなど平成は鹿児島の自然や歴史・文化が世界に認められた30年でもありました。

鹿児島の延べ宿泊者数を見ると九州新幹線が全線開業した平成23年は680万人。
明治日本の産業革命遺産が世界遺産に登録された平成27年には797万人と増えおととしは、熊本地震の影響で一時落ち込んだものの去年は、およそ799万人と過去最多を記録しました。

背景にあるのは、外国人の旅行客の増加です。

(県観光プロデューサー古木圭介さん)「インバウンドでいえば、アジア人も何もこなくて、海外旅行者というのは、アメリカ人とかが数人来ていただけだった。平成元年に日本に来た(外国人の)数は280万人くらいです。それが今3000万人を超えますよ。」


日本が人口減少をたどる中、国は平成20年に観光庁を発足。外国人をターゲットに観光の市場を広げはじめました。

鹿児島でもおととしから今年にかけて香港や韓国の格安航空会社が就航を開始。定期便も増え、現在、鹿児島空港からは週に24便の国際線が運航されています。

鹿児島の外国人の延べ宿泊者数は平成23年には9万3000人でしたが去年はおよそ74万4000人。およそ8倍に増えています。


平成27年に流行語大賞に選ばれた「爆買い」。ツアーで訪れる中国人観光客の旺盛な買い物意欲を指した言葉です。外国人ツアー客を乗せたバスの行列などを目にする機会も増えましたが今、変化が起きています。

(久保キャスター)「さきほど、香港からの便が到着し、観光客の方などが続々と出てきています。しかし、出迎えるはずのガイドやバス会社の姿はありません。ほとんどの方が個人での旅行客だということです。」

格安航空会社の便が到着したこの日、鹿児島空港では、自分で行き先や、交通手段を検索をしたり、観光案内所で情報を得ようとする香港からの個人旅行客が多くいました。
県の観光統計によりますとおととし、鹿児島を訪れた宿泊者のうち、個人旅行で訪れた人は76.4%にのぼり平成28年までの10年間で割合が10%も増えています。


胡家ブンさんもそのひとり。大学院の研究員として働く胡さんは休みを取り、10日間の日程で鹿児島にやってきました。

(胡家ブンさん)「個人旅行です。1人です。今年は明治維新の150周年ですから、私は歴史について興味がありますので、ここに来て、明治維新についての場所を見に行きたい」

鹿児島市に到着した胡さんは、早速街へ繰り出します。少し歩いては立ち止まり初めて来た鹿児島の風景を写真に収めていきます。

そして、歩きながら見つけたのは路地裏にある定食屋。
団体旅行では訪れない小さな定食屋。地元の人とのふれあいも旅の魅力の1つです。

県の観光プロデューサー古木圭介さんです。団体旅行から個人旅行への流れは今後も加速していくと見ています。

(古木観光プロデューサー)「観光客は何を求めているかというとそこで暮らしている人たちの生活の場をみたいんです。それはその辺に転がっている。そこに生活をしている人が楽しんでいる姿を見せるような場面をたくさん作りたい。」


県内の旅行会社も時代の変化に対応を迫られています。
南九州市に本社を置く南薩観光。バス会社として昭和59年に創業しました。
平成11年には旅行事業を開始。当時は、国内の団体旅行がメインでした。しかし、人口減少や景気低迷で、国内旅行は縮小に転じるとみて、海外からのインバウンド客の誘致に、県内では早くから取り組みました。

平成27年からは、香港からの団体旅行客専用のバスを導入。
団体客の増加に、バスを19台に増やして対応してきましたが、個人客をつかむ旅行商品の開発も急務になっています。

(南薩観光菊永正三社長)「観光バスのツアーとしては団体旅行があってこそ。アジア向けの日帰り旅行なども試験的に実証しながら販売をしている。」

着物を着ての街歩きなどいわゆる「体験型」の商品を販売。
地域の人と触れ合うことや山を登って夕日を見ることなど観光客になにが「体験」と感じるのか模索を続けています。

(菊永社長)「私たちは日常茶飯事当たり前と思っていることが旅行者にとっては新鮮に感じるか。ただその新鮮に感じるのがいかに対価としてサービス提供できるか、それが地域の活力につながるのではと探っているところ」

ターゲットが、国内旅行から、海外の団体旅行、個人旅行と急激に変化した平成。国内人口が減少する中、海外から人や消費を呼び込む観光は、今後の成長の鍵を握ります。

次の時代に向け、魅力的な観光地をどう作っていくのか、取り組みが続きます。