【シリーズ雨期防災①】近年の大雨と防災

シリーズで雨期の防災についてお伝えします。


去年は九州北部や喜界島で短時間に雨が集中し被害が出ました。
1回目は新たなステージに入ったという最近の大雨の降り方や注意点について、下山記者の報告です。

(鹿児島地方気象台平山久貴防災気象官)
「局地化、集中化、その結果被害が甚だしい。これまで考えていた想定や常識を超えるような状況が目立ってきている」

去年7月に発生した九州北部豪雨。

福岡県朝倉市では、24時間の解析雨量が1000ミリに達し、福岡と大分で死者行方不明者は41人に上りました。豪雨は県内でも頻発しています。

去年、気象庁が発表した「50年に一度の大雨」は10回。1時間に120ミリ以上の雨が降った場合に出される「記録的短時間大雨情報」は13回に上りました。
喜界島では9月4日に「記録的短時間大雨情報」が2度発表され、96棟が床上・床下浸水し、がけ崩れも相次ぎました。

 

(喜界島住民)
「びっくりです。高齢者もいままで見たことも聞いたこともないと話していた」
総雨量は2日間で540ミリ以上。平年の9月ひとつき分の3倍を超えました。

このグラフは過去40年間に県内で観測された1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」の回数です。


この10年間、年5回以上観測されることが増え、去年は8回。年によってばらつきがあるものの年々増加傾向にあります。
地球温暖化が原因のひとつとして考えられていますが、気象台はここ数年の雨の降り方についてこれまでの想定が通用しない「新たなステージ」に入ったと指摘します。

(鹿児島地方気象台平山久貴気象防災官)
「どこで大雨が発生してなぜ長時間続くのかそういった予測はまだまだできない状況「いつどこでも豪雨に襲われると思って備えてほしい」

予測できない豪雨に私たちはどう備えれば良いのか?
気象台は去年からパソコンやスマートフォン向けに新たな情報提供をはじめました。土砂災害、浸水害、洪水3つの災害が起こる危険性を5段階で色分けし、地図上に表示する「危険度分布」です。

土砂災害は5キロ四方で、浸水害、洪水は1キロ四方で危険度を表示できます。大雨警報や土砂災害警戒情報は市町村単位で出されますが、危険度分布はより細かく表示され、気象台などの観測データに基づき、リアルタイムでデータが更新されます。

 

(鹿児島地方気象台平山久貴防災気象官)
「災害の起こる危険性を視覚的に見てわかる情報提供。場合によっては早めの避難に結び付けてもらえれば」

 

命を守る避難を確実に行うために、自主防災組織の地道な取り組みも続いています。鹿児島市の武町防災会です。

今月2日、地域の危険か所などを点検しました。山沿いに住宅が立ち並び、一部が土砂災害警戒区域に指定されている武地区。

およそ30年前の1986年7月10日、大雨でがけ崩れが発生し、1人が亡くなっています。

鹿児島市では、この日、平之町や新照院町、吉野町など各地でがけ崩れが発生し、あわせて18人が亡くなりました。

通学路では先月の雨で道路わきの崖のコンクリートが落下していました。

点検では危険か所に建つ住宅を1軒1軒回り避難所の確認などを呼びかけました。

(戸別訪問)「こんにちは武町内会ですけど」
(住民男性)「避難は武小学校と聞いている。避難袋を準備している」

西会長は、自治体からの避難の呼びかけなどを待たず、状況に応じて自ら避難することも必要と話します。

(武町防災会西正行会長)
「がけ崩れ、土石流を身近に体験しているので住民は用心しなければならない」「自分で避難しないといけなかったら避難するという心構えをもってほしい」

(気象台平山久貴防災気象官)
「自分の身は自分で守るという自助も大事。そのために情報収集の手段とそれを読み解く能力を日ごろからシミュレーションしてほしい」
雨から自分の命を守るためにはどう対応すればよいのか。

地域の地形や避難所、避難経路を確認し、いざという時にとるべき行動を日ごろからイメージしておくことが重要です。