雨期防災④鹿児島地方気象台長に聞く 災害から身を守る

今年度から鹿児島地方気象台のトップを務める益子直文台長に聞きました。

(益子直文台長)「鹿児島は温暖で雨が多く、自然災害も多い印象ですね」

鹿児島地方気象台に今年度着任した益子直文台長(55)です。
山形県出身で、1989年に気象庁に入ってから31年、半分の15年間は気象庁予報課などで天気や台風の予報に携わってきました。

益子台長は自分たちが出す気象情報が、時として住民の命を左右することもあるという思いで、予報の仕事を続けてきたと語ります。

(益子直文台長)「我々が発表する気象情報が住民の皆さんの生活や命に大きく関わることを感じるようになり、いかに正確な予測を発表していかにお伝えするかが大事と考えるようになりました」


県内で去年6月から7月にかけて続いた記録的大雨。7月3日には平年の7月1か月分を超える雨が1日で降った所もあり、県内では土砂崩れで2人が死亡しました。

益子台長は地球温暖化の影響などで近年、雨の降り方が変化し、予測が難しくなっていると語ります。

(益子直文台長)「雨の降り方が局地化・集中化・激甚化している。地球温暖化が背景にあるのではと考えられます。自分たちが見立てた、あるいは予測したものをはるかに上回る激しい現象が起こることも経験している。予想である以上、完全に100点になることはなかなか難しい」

気象情報や防災情報を的確な避難行動につなげて欲しい。
去年、運用が始まったのが大雨警戒レベルです。
おととし、200人以上の犠牲者を出した西日本豪雨。被災者の73%が避難行動を取らなかったというデータもあります。

大雨警戒レベルは気象庁や自治体から出された防災情報が必ずしも避難行動に結びつかなかった教訓を背景に導入されました。

災害が発生する危険度と住民に求められる行動を5段階で示したもので、数字が大きいほど危険度は高くなり、レベル2は「避難行動の確認」レベル3は「高齢者など避難」、レベル4は「避難」、レベル5は「命を守る最善の行動」と住民が取るべき行動を示しています。

「気象庁や気象台をはじめ自治体などからいろいろな情報が錯そうする状況になっていますので、数字を使って直感的に理解しやすいのがメリットだと思っています」


レベル表を見ると、避難勧告とより緊急度の高い避難指示が同じレベル4に位置づけられています。

市民からはシンプルで分かりやすいとの声もある一方、混乱するといった声も聞かれます。

「他人事みたいに思う。避難勧告と避難指示は分けた方が良い」
「良い。避難の種類が分かる」
「少し分かりづらい。レベル4と言ってもどれくらいの被害が起こるのか」


益子台長は警戒レベルはあくまで目安であり、最終的には住民自身の判断で避難行動に結び付けてほしいと話します。

(益子直文台長)「数字がいくつだから、イコールこの行動とはなかなかなりにくいとは思いまして、そこには(住民の)判断が働く。行動に結びつけやすい情報に発展させていくことが課題ではないかと思いっています。より正確で分かりやすい防災気象情報を発信することが責務。自分の命は自ら守ることを意識されて、適切な情報をつかみ災害に遭わないようにしてほしい」

本格的な雨のシーズンを前に日ごろから気象情報や防災情報の意味を理解しておくことが重要です。
大雨や避難に関する情報が出された際に命を守るためにどう避難行動に移すかは、最終的には私たち一人ひとりにゆだねられています。