雨期防災② 「川内川の氾濫に備える」

ニューズナウではシリーズで「雨期の防災」についてお伝えします。
シリーズ2回目は「川内川の氾濫に備える」についてです。

去年の西日本豪雨で、岡山県倉敷市真備町では河川の決壊による氾濫で51人が亡くなり、洪水災害の恐ろしさを改めて私たちに突きつけました。
それを受け、鹿児島県内の一級河川・川内川でも取り組みが始まっています。およそ50年前までたびたび浸水被害に見舞われた薩摩川内市街地の対策や課題など大久保記者の取材です。


薩摩川内市の川内川河川事務所です。

先週21日、訓練が行われました。川の北側の中郷地区で堤防が幅30メートルにわたり決壊し、市街中心部の大小路一帯・人口1万6000人あまりの地域が浸水するとの想定です。
職員らおよそ30人は本番さながらの手順で、堤防の応急復旧に向けた動きを進めるとともに、浸水被害の最新状況を確認します。

かつて、氾濫を繰り返してきた川内川水系。
昭和40年代には薩摩川内市街地が浸水する被害がたびたび起き、1972年には2度の水害で15人が犠牲になりました。

その後、堤防や水門、ポンプ施設の整備などが進み、2006年の県北部豪雨を最後に大きな災害は起きていません。

一方・・・

去年起きた西日本豪雨。岡山県倉敷市真備町では堤防が決壊し、高さ5メートルを超える浸水で51人が死亡しました。
校舎の2階部分まで浸水した小学校。
近くに住んでいた槙原聡美さんは家も浸水しましたが、事前にハザードマップを見ていたことから、念のために避難して助かりました。

ハザードマップとほぼ同じ浸水となった真備町地区。万が一に備えることが大切と槙原さんは語ります。
槙原聡美さん「まさかって皆言っていた、もしかしたらと思って備えていた方が安心ではないか」

 

川内川の最大規模の浸水想定区域です。浸水範囲の居住人口はおよそ4万5000人。

なかでも薩摩川内市街地ではおよそ2万7000人が住む一帯が浸水のおそれがあります。

西日本豪雨などを受けて、警戒を強める国は今年度から緊急の3か年対策を始めました。


川内川では6か所で整備事業が行われます。
そのひとつ、薩摩川内市街地北側の中越パルプ工業周辺の堤防強化。


現在幅3メートルの堤防のさらなる強化を行う方針です。
川内川河川事務所・中原さん「やれることはやる。しかし住民の皆さんの意識も重要」

 

一方、住民は・・・薩摩川内市街地の住人で市議の川畑善照さん76歳です。


およそ50年前の氾濫を体験しました。
川畑さん「昭和42・44年の水害を体験。ひざから2階の高さまで来た」
その後、市街地の氾濫はなくなりましたが、昔を知る人が少なくなり、川に近い田んぼの宅地化が進むいま、記憶を伝え続けることが大切と語ります。

川畑さん「昭和40年代を知る人も少なくなった。教えていく」

 

浸水想定区域にある薩摩川内市役所。


近くには1969年の洪水で、2メートルを超える浸水をしたことを記す碑が残されています。


市の担当者は、住民に避難の重要性を訴えていきたいと語ります。

薩摩川内市防災安全課・佐多孝一課長「一人一人が自分の事だという意識を強く持っていただいて、自らの命は自分で守るという自助の精神のもとで、地域の防災活動に一緒に携わってもらったら」

かつてたびたび浸水に見舞われた薩摩川内市街地には、水神を祭る碑が数多く残されています。


専門家は災害をわがこととしてとらえることが重要と訴えます。

鹿児島大学・井村隆介准教授
「岡山・真備の状況が川内川であったら・・・と考えて欲しい。早めの避難が大切」

 

薩摩川内市:防災ホームページ https://www.satsumasendai-bousai.jp/