桜島の大規模噴火をシミュレーション その時何が

鹿児島市が制作した桜島の大規模噴火のシミュレーション映像。鹿児島市の中心部が灰で真っ暗になって、天文館にも軽石が降る様子、見ていると恐ろしさを感じます。桜島の大規模噴火で、私たちの生活にどんな影響が起きるのか、どんな対策が必要なのか、この映像から、考えます。

鹿児島市が制作した、桜島の大規模噴火のイメージ映像は、1914年(大正3年)の大正噴火と同じ規模の噴火が、今起きたらを想定して作られました。20世紀国内最大の噴火「桜島の大正噴火」は、火山灰や溶岩などの噴出量は30億トンと、桜島で最近起きている1回の噴火の数十万倍の規模で、58人が犠牲となりました。

大正噴火から100年以上が経過した今、桜島にマグマを供給すると考えられている姶良カルデラでは、マグマの蓄積量が大正噴火前のレベルまで戻りつつあるとされています。

大正噴火では大隅半島方面に大量の降灰がありましたが、シミュレーション映像で想定されているのは、鹿児島市街地側への大量降灰です。

監修をつとめた京都大学火山活動研究センターの井口正人教授は、降ってくるのは火山灰だけではないと指摘します。

井口正人教授:
「多量の火山灰と軽石。軽石が降ってくるということ。大きさは1センチぐらいになってくると思いますけど、多量の軽石が降ってくる。我々が知っている火山灰が降ってくるわけではないということ」

そして映像では、噴火開始からおよそ1日後、鹿児島市街地側に軽石や火山灰が最大1メートルほど積もった場面が描かれます。バスは灰に埋もれ身動きがとれなくなっています。この降灰と軽石によって、交通や電気・水道などは完全にまひ状態になると考えられています。

大正噴火では、噴火発生からおよそ8時間後、鹿児島湾を震源地とするマグニチュード7.1の地震が発生し、鹿児島市で最大震度6の揺れがおきました。次の大規模噴火で地震が起きるとは限りませんが、井口教授は、対策が必要と呼びかけます。

井口正人教授:
「地震については、これは必ず地震が起こるかはわからない。次の噴火で必ずしも起きるわけではないけども想定しておく必要があるということ。
最大で震度6弱程度のものが想定されているので、それなりの対策が必要だということ。家具が倒れないとか」

鹿児島市が昨年度末にまとめた大量降灰対策マニュアルでは、市街地に軽石・火山灰が1メートル降り積もった場合、幅4メートルの道路1.3キロ分を取り除くのに24時間かかると試算されています。
避難生活は数週間に及ぶ可能性があるとして鹿児島市は、今からできる身近な備えとして、情報を取得する手段を複数確保しておくことや非常食・常備薬などは少なくとも3日分用意しておくことを挙げています。

さらに井口教授は、噴火の際の風向きによっては、鹿児島市以外にもシミュレーション映像のような状況が起こりうるとして、備えを呼びかけます。
「今回は鹿児島市が作ったので、鹿児島市街地を想定していますが、風向きさえ違えば別の方向にだって十分到達する可能性、むしろ鹿児島市街地のほうが、今の確率からいえば低い。だから他の場所でもこれと同じようなことが起こりうるということを考えておく必要がある」

(鹿児島市・危機管理課 中課長)
「県内の自治体の方にもぜひ、これを参考に対策を練っていただきたいし、あと外国語による字幕というのも今後作っていきたいと思っている。世界に向けて鹿児島の取り組みを情報発信していきたい」

市は、大規模噴火については兆候があった時点で事前避難を呼びかけるため、落ち着いて行動してほしいとしていますが、いざというとき身の回りに何が起きるのか、普段から自分のこととしてイメージしておくことが大切です。
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